古典万歳とは

全国各地で伝承されている万歳

 平成27年に金沢市で「全国古典万歳大会」が開催され、県外から5か所の万歳が参加しました。これらの保存会は加賀万歳と交流があり、数年に一度の大会などでその絆を深めてきました。
 ここでは主な特徴などを紹介します。

越前万歳(福井県越前市)

 国指定重要無形民俗文化財。起源はかなり古いものとされ、越前市味真野(旧武生市)に伝わります。
 加賀万歳の基であるため同じ演目がありますが、現在は舞い方などが大きく異なっています。
 リンク 文化遺産オンライン
舞い込み御家万歳

加賀万歳の「式三番叟」と同じ歌詞の演目。

寿(ことぶき)万歳

才蔵が「チョウチョウナギナタ帽子」を被る。

鳥刺し万歳

太夫が鳥刺し棒を持ち、小鳥を獲る仕草を演じる。

尾張万歳(愛知県知多市)

 国指定重要無形民俗文化財。鎌倉時代に長母寺(ちょうぼじ)の開山、無住国師が作った「法華経万歳」が始まりとされます。
リンク 尾張万歳保存会ホームページ
御殿万歳

静かな前半から、踊りや物真似で盛り上がる後半まで様々な顔を見せる演目。

三河万歳(愛知県安城市ほか)

 国指定重要無形民俗文化財。室町時代の中頃に熱田薬師寺の僧玄海が教えた「礼楽舞」が始まりとされます。江戸時代に陰陽道となり、後に神道に変わりました。
 リンク 文化遺産オンライン
神道三河万歳

大夫と才蔵の二人で、身振り手振りを交えて面白おかしく舞う演目。

伊勢万歳(三重県鈴鹿市)

 江戸時代には成立。尾張・三河・大和万歳との交流を経て大成したとされます。
三曲万歳

胡弓・三味線・小鼓の3つの楽器を用いて、掛け合いを主に演じます。

伊予万歳(愛媛県松山市)

 江戸時代初期に「知多万歳」を招いたことに始まり、当初は太夫と才蔵の2人で舞ったが、文化文政の頃から大人数で踊るようになったという。
 リンク 松山市ホームページ・伊予万歳
松づくし

大人数の才蔵が扇で松の形を作る演目。